|
出版社:信濃毎日新聞社
出版日:2021年12月24日頃
ISBN10:4784073922
ISBN13:9784784073924
販売価格:1,980円
2021年6月、開業100周年を迎えた上田電鉄別所線。2019年の台風19号で千曲川を渡る橋梁が崩落して存続も心配されましたが21年3月に復旧。無事に100年を迎えました。
上田地域の鉄道は、製糸業や観光業の発展を期して別所線をはじめ、丸子線、真田傍陽線など一大路線網が出来上がる一方で、半世紀前までにはその8割以上の路線が廃止されます。唯一残った別所線も存続の危機に直面しますが、経営努力や地域・ファンの支えで走り続けています。この100年間は、地域を交えた路線を守る闘いの歴史とも言えます。
本書では、路線の建設時に鉄道省に出した申請書類(公文書)や当時の地図、新聞記事・写真などの資料を駆使。創成期の路線建設・延伸へのもくろみや、路線廃止の顛末、別所線存続をめぐる経過や取り組みなどを中心に、鉄道会社の変遷、シンボルの丸窓電車、被災鉄橋の復旧までの軌跡など、歩みをたどります。
また、100周年を記念して公募した「思い出エッセイ・作文」の受賞作・上位作品約90点も収録。公文書や地図、報道、人々の記憶を掘り起こし、さらには廃止路線の写真や古い切符、電鉄会社の内部資料など、貴重な多数掲載して1世紀の流れを追う鉄道歴史書です。
●巻頭特集
別所線のシンボル 千曲川橋梁と丸窓電車(信濃毎日新聞社出版部)
千曲川橋梁 復旧の軌跡/「丸窓電車」塩田平に息づく
●第1章
上田の鉄道網が形成されるまで 鉄道省公文書と地図で読み解く(今尾恵介)
丸子鉄道の誕生/温電が川西へ路線を敷設/上田ー丸子間の二つの路線/小県東北部への温電路線敷設
●第2章
信濃毎日新聞の記事でたどる別所線と上田の鉄道の百年(信濃毎日新聞社出版部)
製糸隆盛の町・丸子起点の鉄道誕生/川西にも鉄道をー「温電」誕生/西丸子線の開通と青木線の廃止/「東北」にも鉄道をー真田傍陽線/五島構想と東急グループ入り/3路線の相次ぐ廃止/別所線存続の危機 昭和編/別所線存続の危機 平成編
(サイドストーリー)
南信をつないだ丸子町駅/90年前にもあった千曲川の橋の受難/戦時統制を乗り切る/貴重な「チンチン電車」/“王様”激賞 菅平の観光開発/戦時“強制”合併で会社は一つに/あわや大惨事ー急勾配“列車暴走”/実現しなかった「路線の夢」/上州バス路線 真田ー上田の攻防/車両は東急からやってくる/ストライキの時代ー76春闘/進めた経営改善ー快適さと合理化追求/別所線上田駅の高架化/はかま駅長とハーモニカ駅長
●資料編
別所線全駅探訪/廃線探訪(丸子線、真田傍陽線は全駅写真掲載)/廃線跡は今/上田の鉄道を描いた鳥瞰絵図/別所線と上田の鉄道のあゆみ(年表)
●第3章
人生を乗せて走り続けた1世紀 別所線と上田丸子電鉄の記憶
〜思い出作文・エッセイコンテスト秀作選〜
【完全書き下ろし】
・別所線鳥瞰絵図(村松昭・作)
・線路縦断面図〈別所線・丸子線・西丸子線・真田傍陽線〉(今尾恵介・作)
|