アンゲラ・メルケルの東ドイツ

劣化し、崩壊していった東ドイツ社会。 そこで暮らしたメルケルは何を経験したのか。 「劣化する社会」のなかで、自らの信念に従って生きた人びとの思索との対話。 ●著者紹介 川越　修（かわごえ　おさむ） 1947年生まれ。同志社大学名誉教授。専門はドイツ近現代社会史。 主な著作に、『ベルリン　王都の近代ーー初期工業化・1848年革命』（ミネルヴァ書房 1988年）、『性に病む社会ーードイツ　ある近代の軌跡』（山川出版社 1995年）、『社会国家の生成ーー20世紀社会とナチズム』（岩波書店 2004年）、『歴史としての社会主義ーー東ドイツの経験』（共編著、ナカニシヤ出版 2016年）、『明日に架ける歴史学ーーメゾ社会史のための対話』（共著、ナカニシヤ出版 2016年）など。 はじめに 第一章　東ドイツ社会の若者たち 　　　　　1　テンプリーンのメルケル 　　　　　2　一九七〇・八〇年代の東ドイツ社会と若者の意識変化 　　　　　3　東ドイツ社会の中間組織と若者 第二章　顕在化する「社会の劣化」 　　　　　1　ライプツィヒと東ベルリンのメルケル 　　　　　2　チェルノブイリの衝撃ーー転機としての一九八六年 　　　　　3　シュタージの見たチェルノブイリと東ドイツ社会 第三章　「劣化する社会」 　　　　　　　　それぞれの選択 　　　　　1　東ドイツを去った人びと・東ドイツにとどまった人びと 　　　　　2　二つの中間組織の選択 　　　　　3　もう一つの選択ーーメルケルの東ドイツ像 第四章　「プロイセンのプロテスタント」 　　　　　　　　政治家メルケルの登場 　　　　　1　核エネルギー問題と政治家メルケル 　　　　　2　信仰と政治ーー政治家メルケルの核心 あとがき 索引