帝国の聖戦（上）

第一次世界大戦後のパリ講和会議において、帝国陸軍大尉・石原莞爾によって提唱・設立された国際連盟直属の多国籍軍事組織・国際自衛隊（ＩＳＤＦ）。だが、人類の恒久平和実現という崇高な理念のもとに建軍された国際自衛隊は“専守防衛”を原則とし、先制攻撃の権利を放棄していた。自らの軛に縛られた彼らは、その奮戦も虚しく、再び大戦へと驀進する世界の流れを止めることはできなかったのだ…。一九四一年、設立から二〇年を経て軍法規範の改正に踏み切り、束縛を取り払ったＩＳＤＦは、国際連盟に反旗を翻して世界分割に突き進む米独ソと対峙。遂に世界を分けた世紀の戦いが始まった。