記憶の社会学とアルヴァックス

『記憶の社会的枠組み』と『集合的記憶』の読解を中心に、モーリス・アルヴァックスの記憶論の新たな可能性を探る試み。 序章 第一章 記憶・夢・言語 一　『枠組み』の問題設定 二　記憶作用と夢ーーアルヴァックスのベルクソン批判 三　言語活動という枠組みーー失語症という事例 四　記憶作用と言語ーー大森荘蔵の言語制作説をめぐって 五　記憶作用と言語ーー言語行為の観点から 六　構築主義的な記憶論をめぐって 第二章 過去の再構成と記憶の位置づけをめぐる考察 一　過去の再構成をめぐって 二　記憶の位置づけをめぐって 三　「現存主義」解釈をめぐって 四　『枠組み』の展開可能性をめぐって 第三章 「集合的記憶」概念の再考 一　『枠組み』の問題点 二　「記憶」概念の再考 三　記憶作用と時間ーー自己の時間の観点から 四　〈集合的記憶〉と歴史 第四章 〈集合的記憶〉と時間 一　ベルクソンの時間論 二　アルヴァックスの時間論 三　時間を論じる視角ーー言語と空間 四　言語と時間ーージャン・ドレーの記憶論 五　言語と時間ーー物語り行為の観点から 第五章　〈集合的記憶〉と空間 一　問題の所在 二　アルヴァックスの空間論 三　「場」という概念をめぐってーーデュルケームを中心に 四　道徳論・象徴論としての記憶論 五　場所論・空間論としての記憶論 註 参考文献 あとがき 人名索引