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出版社:慶應義塾大学出版会
出版日:2006年09月02日頃
ISBN10:4766412222
ISBN13:9784766412222
販売価格:4,620円
智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。
意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。(夏目漱石『草枕』)
情動、感情、情念、情緒ーー。われわれは、<知>識のように
<情>識を身に付けるこのができるのだろうか?
「知」の魔窟=文学部総合講座に迎え入れられた多彩な講師陣が、
「情」の構造とその「技法」を説く。
はじめに 坂本 光
<b>第一部 <情>の構図</b>
I 反知識人とは何かーーひとつのアメリカ的伝統 巽 孝之
II 反感情移入の陥穽
--クリストフ・マルターラーの『ヨーロッパ人をやっつけろ!』における観客の自己欺瞞
平田栄一朗
III 「本当の自分」の政治学ーー公と私における情の技法 岡原正幸
IV 「甘え」概念について 土居健郎、[プレゼンター]巽 孝之
V 音楽における時間、構造、および情緒について ジョセフ・ゴーギャン、良子・ゴーギャン
VI 情行為試論
--悲しいから泣くのではない。環境事象があるから泣き、悲しむのである。
坂上貴之
<b>第二部 <情>を読み解く</b>
VII 世論操作と「情」 川上和久
VIII 情の建築ーー戦争・記念碑・癒し・忘却 生井英考
IX 情の技法のもつれーーアメリカの創作科と文学批評 吉田恭子
X 国文学作品における情 石川 透
XI 女性たちは愛をどのように生きたかーー近代フランスに則して 小倉孝誠
XII ストウ夫人のメロドラマーー『キリスト教徒の奴隷』(一八五五)にみる〈情の技法〉
常山菜穂子
XIII 恋のベストセラーーーE・M・ハルの『シーク』を中心に 河内恵子
<b>第三部 <情>を使う</b>
XIV 花柳界の粋ーー“もてなしの芸”に見る芸者の情と心意気 浅原須美
XV 舞踊における怪物的身体 石黒節子
XVI クラシック歌曲におけるアート・オヴ・パッション(情の技法) ボニー・ホーク
XVII 血と蜜ーー作詞と歌における情について 宝野アリカ
XVIII ロボットを創ることとは? 藤田善弘、長田純一
XIX ニコラ・テスラと発明の世紀ーー魔術師たちの時代の終焉 新戸雅章
XX フィクションに生きるーー女優・吉行和子による情の技法 吉行和子、[聞き手]宮坂啓造
編集後記 坂上貴之
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