明朗であれ　父、渡部昇一が遺した教え

“知の巨人”と呼ばれた父が、膨大な学問の末につかんだもの、また、つかもうとしていたものは「正しさ」などではなく、人々がより幸せに生きぬくための普遍的な「事柄」だったのではないか。 　『知的生活の方法』をはじめ、数えきれないほどのベストセラーを著した英語学者／社会評論家、故・渡部昇一氏（2017年没）。本書は、氏の長男であり、音楽家である著者が、家族だからこそ知る“知の巨人”の素顔とその思い出を綴った心温まるエッセイです。 　遺された膨大な書物と言葉、父子のふとした会話、最期の別れの追憶などを通して、氏が探求した学問と思想を実息の視点から回想。亡き父を想うノスタルジックな文章でありながら、生きる希望を読者に授けるエピソードが満載。令和の時代を生き抜くための、日本人への励ましが込められた一冊となっています。 第1章　草取り - 故郷 - 神秘の池／農耕民の血脈／田畑としての図書室 第2章　おまじない - 言葉 - 即身成仏の里／不思議な体験／枕の下のお守り 第3章　方眼紙 - 学問 - 論語の交流／方眼紙の真実／書庫からのメッセージ 第4章　赤福 - 好物 - 断食行を命ず／気になる太鼓腹／涙の赤福 第5章　書斎から図書室へ - 本 - 本の虫／捨てられない雑誌／夢の居場所 第6章　ブランデンブルク協奏曲 - 家族 - バッハとお雛様／エディンバラ回想／家族と仕事 第7章　ゼロ戦 - 祖国 - 愛国少年あらわる／祖国へのまなざし／天長節の歌 第8章　明るい方へ - 父 - 戦ってきたものの正体／学問の末につかんだもの 他