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出版社:和泉書院
出版日:2018年02月10日頃
ISBN10:4757608624
ISBN13:9784757608627
販売価格:5,500円
〈人文知は何をなしうるのか〉
人文学(「人間とは何か」を問う科学)の危機が叫ばれて久しい。自然科学偏重の高等教育政策に対し、人文学の研究者は単に「アンチ」を唱えていればいいのか。成果主義を煽る言説に正面から向き合い、文系・理系を通底する認識の「筋力」を鍛えることができるかが切実に問われている。本書は、このような問題意識にもとづいて、総説・古典・アジア・翻訳の各部門から人文知のトポスを求めて議論した成果である。
発刊の辞 井上あえか
総 説
人文知のトポスーグローバリズムを超えて あるいは「世界を毛羽立たせること」- 山本光久
講 演
人文知の四元的統合に向けてー今、人類はどのようなところにいるのか?- 小林康夫
翻訳が作り出すもの 管 啓次郎
論 文
【古典部門】
百人一首の「発見」-頓阿から宗祇へー 小川剛生
古典としての『伊勢物語』-テクストとの対話ー 岡部由文
近世ルネッサンス・日本の場合ー古典を通して知的世界像の再生へー 井上啓治
禅律仏教による「意訳」と実践ー死と病をめぐってー 苅米一志
当麻寺〈史〉の更新ー公文書「流記」の出現ー 川崎剛志
【アジア部門】
イスラームをどう認識するか 井上あえか
拡大の場としての「アジア」・流浪の場としての「アジア」-高見順の描く近代日本とアジアー 小林敦子
岡倉天心著『白狐』をめぐって 土井通弘
個人主義の変調ー夏目漱石「満韓ところどころ」- 松尾直昭
【翻訳部門】
ウィリアム・シェイクスピアの『オセロー』における話し言葉と書き言葉 和栗 了
外国語習得における母語知識の活性化の必要性ー形態素、語、文、そして文を超える階層までー 西谷工平 中崎 崇
結び 土井通弘
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