古代に真実を求めて

古代史界に衝撃を与えた古田武彦『「邪馬台国」はなかった』の刊行から50年。その歴史観、学問方法論を受け継ぐ執筆陣による「邪馬壹国説」「短里説」「博多湾岸説」「二倍年暦説」「倭人が太平洋を渡った説」などの諸仮説をめぐる最新の研究成果を集める。 巻頭言　読者の運命が変わる瞬間［古賀達也］ 『「邪馬台国」はなかった』のすすめ［古賀達也］ 特集俾弥呼（ひみか）と邪馬壹国（やまゐこく）-古田武彦『「邪馬台国」はなかった』発刊五十周年ー 【総括】 魏志倭人伝の画期的解読の衝撃とその余波ー『「邪馬台国」はなかった』に対する五十年間の応答をめぐってー［谷本茂］ 改めて確認された「博多湾岸邪馬壹国」［正木裕］ 【各論】 周王朝から邪馬壹国そして現代へ［正木裕］ 女王国論［野田利郎］ 東鯷人・投馬国・狗奴国の位置の再検討［谷本茂］ 「女王国より以北」の論理［野田利郎］ メガーズ説と縄文土器ー海を渡る人類［大原重雄］ 裸国・黒歯国の伝承は失われたのか？-侏儒国と少彦名と補陀落渡海ー［別役政光］ 二倍年暦と「二倍年齢」の歴史学ー周代の百歳と漢代の五十歳ー［古賀達也］ 箸墓古墳の本当の姿について［大原重雄］ 　コラム1　古田武彦氏『海賦』読解の衝撃 　コラム2　日本の歴史の怖い話 　コラム3　長沙走馬楼呉簡の研究ー「都市」は官職名ー 　コラム4　不彌国の所在地を考察するー弥生の硯出土の論理性ー 　コラム5　バルディビア土器はどこから伝播したかーベティー・J・メガーズ博士の想い出ー 　コラム6　箸墓古墳出土物の炭素14測定値の恣意的解釈 　コラム7　曹操墓と日田市から出土した金銀象嵌鏡 特別寄稿 『日本書紀』推古・舒明紀の遣隋使・遣唐使ー天群と地群ー［谷川清隆］ 一般論文 「防」無き所に「防人」無しー「防人」は「さきもり（辺境防備の兵）」にあらずー［山田春廣］ 太宰府条坊の存在はそこが都だったことを証明する［服部静尚］ 古代の疫病と倭国（九州王朝）の対外戦争ー天然痘は多利思北孤の全国統治をもたらしたー［正木裕］ 九州王朝官道の終着点ー山道と海道の論理ー［古賀達也］ 『書紀』中国人述作説を検証するー雄略紀および孝徳紀の倭習ー［服部静尚］ 　コラム8　関東の木花開耶姫（このはなさくやひめ） 付録古田史学の会・会則 古田史学の会・全国世話人名簿 編集後記