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出版社:臨川書店
出版日:2023年04月10日
ISBN10:4653045399
ISBN13:9784653045397
販売価格:3,520円
最新の考古学研究と理化学的分析の成果のもと、馬の家畜化から車輛の導入、そして騎馬遊牧まで、馬と人とが歩んできた長い歴史を解きあかす。人類社会における馬の役割とその重要性とはーー。馬を鍵として、ユーラシア諸地域の歴史・文化を横につないで理解するための新たな視座を提供する。
序 文(諫早直人)
第1部 草原の馬文化ーー馬家畜化からモンゴル帝国までーー
第1章 戦車と騎馬ーー家畜化後の広域交流ーー(中村大介)
はじめに/第1節 家畜化に関する研究/第2節 車輛と戦車/第3節 騎乗と高速移動/第4節 東方拡散 /おわりに
コラム1 東部ユーラシア草原地帯の馬と馬具ーーパジリク文化期と匈奴期の特徴ある2事例を中心にーー(大谷育恵)
第2章 モンゴル帝国の祭祀とウマ犠牲(白石典之)
はじめに/第1節 史料にみるウマ犠牲/第2節 ウマの殉葬/第3節 祭天祭地のウマ犠牲/第4節 祖先 慰霊のウマ犠牲/第5節 民族例にみるウマ犠牲/第6節 ウマを犠牲とする祭祀の位置づけ/おわりに
第2部 中国の馬文化ーー馬車から騎馬へーー
第3章 中国古代の車馬(岡村秀典)
はじめに/第1節 殷墟出土車馬とその源流/第2節 西周時代における戦車の改良/第3節 戦国・秦漢時 代における戦車から騎兵への転換/第4節 秦漢時代における乗用車馬の発達と普及/第5節 車制の成立/おわりにーー車馬の衰退
第4章 牧馬の育成ーー中国古代養馬史の再構築ーー(菊地大樹)
はじめに/第1節 中国最古の飼養記録/第2節 古典籍、出土文字資料にみる馬飼集団/第3節 考古科学 からみた養馬技術/第4節 古代馬の実像/第5節 マメ科飼料の導入と飼養技術の東伝/おわりに
第5章 中国における騎馬の導入と展開(向井佑介)
はじめに/第1節 古代中国における騎馬の導入/第2節 騎馬の普及と馬具の革新/第3節 胡族国家の影 響/第4節 花開く宮廷の騎馬文化/おわりに
コラム2 馬模型にみえる鞍の変化ーー北魏の後輪傾斜鞍とその広がりーー(大平理紗)
第3部 馬文化の東伝ーー中国から朝鮮半島、そして日本列島へーー
第6章 鐙の出現ーー騎馬文化東伝の原動力ーー(諫早直人)
はじめにーー西から東へ/第1節 鐙の出現/第2節 世界最古の実物鐙/第3節 鐙の東方展開/第4節 鐙の出現と騎馬文化の東伝/おわりにーー東から西へ
コラム3 韓半島の初期馬生産と牧場(李 ゲン姃)
コラム4 馬と塩ーー5〜6世紀代の奈良盆地の事例を起点にーー(青柳泰介)
コラム5 同位体比分析からみた馬の飼育(覚張隆史)
特別論考 古代東アジアの馬文化と植生(篠原 徹)
第1節 草原の騎馬遊牧/第2節 古代東アジアと植生/第3節 草原から森林へ伝播する馬文化/第4節 楽浪海中の倭人社会/第5節 古代東アジアの社会経済的世界と考古学
あとがき(向井佑介)
索引 / 編者・執筆者紹介
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