沖縄からアジアが見える

南島の文化や民俗は、多くの人々を魅了してやまない。沖縄に生まれ育った著者が故郷に残るシーサーや爬龍船競争、ミルク神などの民俗慣習を綿密に調査。沖縄文化の独自性を探り、アジア諸文化との関連を平易に解説する。 はじめに／日本のなかの琉球王国（地方独自のことばー方言のこと／ことばの類似と相違ー沖縄の内と外と／日本語のなかの琉球のことば／民族から見た本土と琉球）／中国大陸の文化と沖縄（中国大陸三〇〇〇キロを歩くー歴史の再現／琉球にもたらされた中国文化／大陸文化を運んできた人たちー三十六姓と官生／中国的な社会制度の受容ー姓・父系あるいは男性中心の仕組み）／東南アジアへのまなざし（音への郷愁ー島嶼と大陸／文化の個性、多様性の生み出すもの／爬龍船と「をなり神」-アジアの地域文化とのつながり／舟漕ぎ行事のアジアでのひろがり）／染織・布・をなり神ー女性の地位・役割・象徴（女性の仕事・役割／妹の力、をなり神信仰とアジア／姉妹と兄弟の呪的な絆ー東南アジア島嶼地域へのひろがり）／おわりにー文化研究の視野／琉球・沖縄略年表／『沖縄からアジアが見える』の背景とは…渡邊欣雄