森戸辰男（310）

戦前の思想弾圧「森戸事件」で知られる学者・教育者・政治家。新渡戸稲造の薫陶を受け、労働者教育に挺身。戦後は日本社会党に入党し、日本国憲法の制定にも関わる。文部大臣として戦後教育改革を推進し、新制広島大学の初代学長をへて、中教審会長として第三の教育改革を行った。一次資料を駆使し、一貫して社会科学者であり続けた生涯を描く。 はしがき／誕生から東京帝国大学卒業まで（生い立ち／一高入学と新渡戸稲造との出会い／東京帝国大学時代ー大学の講義・演習）／東京帝国大学内の思想対立と森戸事件（経済学部の独立と思想対立／森戸事件の発端／裁判・免官・入獄）／大原社会問題研究所と大阪労働学校ー大阪時代（大原社会問題研究所の設立／出獄とドイツ留学／大原社会問題研究所時代の研究ー大正期／関東大震災と思想弾圧／大阪労働学校の設立）以下細目略／労働運動と労働者教育／東京への移転と戦時下の大原社会問題研究所／戦後、日本社会党に入党／片山哲内閣・芦田均内閣の文部大臣／広島大学学長時代ー大学の管理運営と国際化／中央教育審議会の会長に就任ー「第三の教育改革」四六答申まで／晩年／略年譜／政党主要系統図・労働組合主要系統図