古代天皇祭祀の研究

古来、国家の安寧を祈り続けてきた大嘗祭・神今食・新嘗祭などの天皇祭祀には、今もなお不明瞭な部分が多い。古代天皇祭祀の実態・構造を、祭祀の中核たる神饌供進儀から詳細に分析し、御体御卜などの周辺諸祭儀との関連について考察。現代へとつながる神道の大きな歴史の中における天皇祭祀の意義を追究し、国家祭祀との二重構造論を展望する。 序章 本書の目的と構成／神饌供進儀の研究（天皇祭祀の祭神〈天皇祭祀の祭神をめぐる議論／大嘗祭における天皇の御告文「祈請申詞」の検討／古代における天皇と祭祀〉／神今食の神饌供進儀と本義〈神饌供進儀の次第／神今食の本義をめぐって〉／大嘗祭の神饌〈大嘗祭神饌の全体構成／神今食・新嘗祭神饌との構造比較／個別の神饌の考察〉／神饌供進儀における「秘事」の継承〈神饌供進儀における次第・作法／神饌供進作法の画期／神饌供進作法の継承ー上皇と習礼〉以下細目略）／天皇祭祀の周辺（天皇親祭をとりまく人々と場／附論 大嘗祭の斎場／神今食の祭儀体系への一試論／御体御卜の成立と変遷／補論1 御体御卜奏上儀の復元的考察／天皇と斎王の祭祀構造／『延喜式』にみる聖体安穏祭祀／補論2 班幣行事の復元的考察）／終章 古代天皇祭祀の構造と本研究の展望