日清・日露戦後経営と議会政治

日清・日露戦後は、藩閥と政党の提携が崩れ始め、立憲政友会・立憲同志会の二大政党が結成される。この時期の官民調和体制を、第三勢力としての吏党を重視しつつ、官民「協調」論と「一体」論の二つの潮流から分析。伊藤博文の新党結成から桂園時代、大正政変までの政界再編過程を捉え直し、大正以降の政党内閣・挙国一致内閣への道も展望する。 序章　近代日本政治史研究と官民調和／日清・日露戦間期における官民「協調」の動揺と再編（日清戦後の官民調和と三党鼎立論ー官民「協調」の全盛〈自ー国連合路線の政治構造／自ー国連合から政友会へ〉以下細目略／日露戦前の官民調和と対露危機ー官民「協調」の動揺／桂園体制成立過程における国策機関論ー官民調和をめぐる競合と再編）／日露戦後の官民「一体」化と戦前二大政党の成立（政友会の自立化と日露戦後恐慌ー官民「一体」化への胎動／桂新党路線の展開と糖業政策ー官民「一体」論としての第二党構想／政友会「硬派」の台頭と政国提携論ー官民「協調」下の政界刷新構想／大正政変期における政国・薩派連立内閣論の破綻ー官民「一体」化の転換点／補論　日露戦後経営と生産調査会設置問題ー官民調和の統合原理）／終章　官民調和の変容過程