新しい算数教育の理論と実践

小学校教員養成課程、算数科指導法の教科書。算数科授業の目標、内容、指導と、これからの算数教育を取り巻く課題について解説する。小学校教員の数学的素養を育てるとともに、教師としての資質・能力の向上をめざす。 はしがき 　第1部　算数教育の基礎理論 第1章　新しい算数教育の課題と展望 　1 現在の算数教育を問い直す 　2 算数教師としての力量をつけよう 第2章　数学的な見方・考え方と数学的活動 　1 「算数指導」の基本理念を考える 　2 「算数指導」で目指す数学的活動を具体化する 　3 内容ベースを超える算数カリキュラムを構想する 第3章　指導計画と学習指導のデザイン 　1 指導計画（単元構成）の意味と教師の在り方を考える 　2 指導計画を授業としてデザインし，実践する 　3 問題解決型授業に代わる新しい考え方としての「探究」 　第2部　算数教育の教科内容論 第4章　算数教育と移行の問題 　1 就学前教育からの移行を考える 　2 中学校教育への移行を考える 第5章　数と計算 　1 数概念と数の表現形式を考える 　2 加法の構造を考える 　3 乗法の構造を考える 第6章　量と測定 　1 比較する・測定する 　2 直接測る 　3 間接的に測る 第7章　図　形 　1 図形の体系 　2 対象概念として図形を捉える 　3 関係概念として図形を捉える 　4 算数教育の歴史における図形の扱われ方 第8章　データの活用 　1 統計的な問題解決の方法について知る 　2 仮説を探索して検証する 　3 データを適切に読み取り判断する 　4 統計的な問題解決の方法を活用する 第9章　数量の変化の関係 　1 「数量関係」領域と「変化と関係」領域の特徴について考える 　2 数量の関係を表現し，操作する 　3 単位量あたりの大きさ，異種の量の割合，割合を伴う種々の問題を考える 　4 伴って変わる数量の関係に着目し，変化と対応を捉え，活用する 　第3部　算数教育を取り巻く今日的課題 第10章　アルゴリズム的思考──国際的パースペクティヴと学校数学教育との密接な関係 　1 定　義 　2 学校カリキュラムにおけるCT/ATに関連したアーギュメント 　3 アルゴリズム的思考と現在の研究の状況 　4 カリキュラムの側面と数学教育との密接な関係 　5 結　論 第11章　算数教育のグローカル性 　1 わが国の算数教育を予見する 　2 グローカルな視点で捉えなおす 　3 公正性と学習言語の問題と可能性を考える 人名索引／事項索引