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出版社:みすず書房
出版日:2017年10月19日頃
ISBN10:4622086441
ISBN13:9784622086444
販売価格:6,050円
アメリカ研究の第一人者がみずから編みながら遺された論集を、ここにおくる。
プリマス植民地をはじめ、アメリカ建国前後の政治と宗教(制度としての政教分離と国民の心情としての政教融合)の実態からアメリカの根っこを描き、その水脈がその後の外交・戦争・大統領・議会などにどう現れてくるかが明らかになっている。
転換期を迎えたアメリカを知るために、なにより建国以来現在までを貫くアメリカを理解するために、さらにアメリカの「反知性主義」の一端を学ぶために、高い学術レベルを保ちながら全体を見据えて研究してきた著者の12章の遺稿は、この国の今後のアメリカ研究にとって不可欠なものであろう。
また、巻末の2編「草創期アメリカ研究の目的意識ーー新渡戸稲造と「米国研究」」および「日本におけるアメリカ研究ーーその歴史と今後の課題」は、学問・文化レベルでの日米関係史を描いた、きわめて貴重な資料でもある。
はじめに(古矢旬)
第1章 契約による社会形成──ウィリアム・ブラッドフォード『プリマス植民地について』
第2章 アメリカ革命と宗教──文化的多元性・政教分離・統合
第3章 制度的政教分離と心情的政教融合──一八世紀後半アメリカ社会における政教関係
第4章 政治構造と政教分離──イギリス〈複合〉帝国とアメリカ諸植民地
第5章 建国期アメリカの防衛思想
第6章 アメリカ外交の原型──建国期アメリカの対外意識
第7章 第一次大戦とアメリカ社会──素描
第8章 アメリカ大統領職の変質
第9章 ポストモダンの大統領の登場?──アメリカ大統領職の変容
第10章 『アメリカの対外政策決定と議会』
第11章 草創期アメリカ研究の目的意識──新渡戸稲造と「米国研究」
第12章 日本におけるアメリカ研究──その歴史と今後の課題
あとがき(久保文明)
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