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出版社:みすず書房
出版日:2004年12月
ISBN10:4622071193
ISBN13:9784622071198
販売価格:5,280円
20世紀ソ連科学界を代表する物理学者レフ・ランダウの名は、世界的名著とされるリフシッツとの共著『理論物理学教程』により日本でもよく知られている。また、1962年、凍結した路面での輪禍により重体に陥り死の淵をさまよった彼が、国際的医師団の懸命の治療によって一命をとりとめるや、“モスクワの奇蹟”として全世界に報道され、その回復を鼓舞するかのように同年ノーベル賞が授けられたことは、いまも人々の記憶に残っている。だが、この事故の四半世紀前にランダウが、ほぼ確実に抹殺されるはずだったもう一つの危機を生き延びてきたことを知る人は少ないだろう。1938年4月27日深夜、彼は内務人民委員部によって突如逮捕され、まる1年を獄窓に過ごさなければならなかったのである。本書は、ソ連崩壊にともなうグラスノスチによって解禁された、ランダウ逮捕に関するKGB(秘密警察)資料を中心に、関連論考を集成し、ランダウの科学思想と彼の知られざる政治的叛逆の事績を明らかにするものである。
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