砂の城

ブレイド学院の教師アシュレイは、新学期の準備のため教室で名簿を調べていた。ふと驚いて手を止める。思いもしなかった名前をそこに見つけたのだ。フセイン・ゴーチェ。７歳。この世に、この年齢のこんな名前の少年が二人といるだろうか？一度も胸に抱くことなく引き離された我が子に間違いない。驚愕する彼女の前に、かつての恋人で砂漠の国マラッドの財閥御曹司、アレインが姿を現した。そして、息子を入学させる条件は彼女が学院を去ることだと迫られる。アシュレイは呆然としたーまだ私を苦しめたいの？母親だと打ち明けなくてもいい。私は息子のそばにいたいだけなのに。