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出版社:法政大学出版局
出版日:2021年03月01日頃
ISBN10:4588616129
ISBN13:9784588616129
販売価格:2,750円
新型コロナ禍とともに幕を開けた2020年代。深刻な環境危機や経済的貧困の拡大のなかで問われているのは、マジョリティの内側からの変容であり、政治的主体化ではないか。人々を分断し統治する新自由主義の価値観、性差別や民族差別、優生思想がもたらす複合的な暴力を解体すること、〈棄民〉の政治に抗うことが世界同時的な課題となっている今、新しい民主社会への知恵をさぐる。待望の第2号!
はじめに
共同討議 文学はいま何に「対抗」すべきか?
温又柔×木村友祐×杉田俊介×櫻井信栄
■特集1 差別の歴史を掘り下げる
江戸思想史とアジアの近代──日本人と差別の歴史
子安宣邦氏インタビュー 聞き手=杉田俊介
帝国のタイムライン
「ひろしまタイムライン」とポストコロニアル・メランコリア
ケイン樹里安
差別への問い
川口好美
桜桃の家族
川村湊
座談会 在日コリアン文学15冊を読む
康潤伊×櫻井信栄×杉田俊介
アフロペシミズムと〈在日〉の思想を読む
高橋若木
ハリエットとアイダ──差別と闘った奴隷の娘たち
篠森ゆりこ
小説 日本人こわい
櫻井信栄
■特集2 性と障害と民主主義
中心をつくらない社会運動?──デザイン、フェミニズム、複合差別
宮越里子さんインタビュー 聞き手=杉田俊介
わたしと政治──声はどこから聞こえてくるのか?
岡野八代
家族や専門職に「殺させる」社会に抗う
──「大きな絵」を見据えながら「小さな物語」に耳を澄ませる
児玉真美
見えないバックラッシュ──障害のある人たちをめぐるテン年代の諸相
堤拓哉
とまどいを抱える──メンズリブ運動の歴史と再解釈をめぐって
尾崎俊也×西井開
僕が誰かの声を聴くことはできるか
まくねがお
〈恋愛〉という物語の呪縛
倉数茂
意識的に泣く
白岩玄
■特集3 二〇二〇年代の世界認識のために
ゼロ年代〜二〇一〇年代の批評/運動をめぐって──差別・階級・慰霊と民主主義の現在
高橋若木×杉田俊介
脱出口を開く──「人間以後」の未来へ
篠原雅武
民主主義の自己修復的性質について──お祭りデモクラシーと語学学校デモクラシー
山本圭
時間への関与と現代日本におけるメンバーシップの境界
高谷幸
コロナ禍で顕在化した行政による「住所不定者」差別
稲葉剛
小説 ビザラン挽歌
藤原侑貴
【表紙写真】 松岡一哲
【本文写真】 池野詩織(001, 002, 010–011, 051, 209, 293頁)
【デザイン・装丁】 宮越里子
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