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出版社:法政大学出版局
出版日:2020年12月18日頃
ISBN10:458801126X
ISBN13:9784588011269
販売価格:4,620円
戦争や暴動がすぐそばにある時代に、私たちは「暴力」をどう考えればいいのか。早急な正当化や基礎づけ主義、ニヒリズムに抗して、自由で公平な議論を創り出すために、暴力をめぐる絶えざる反省、「手すりなき思考」が今こそ必要だと問いかける。暴力について深く考え抜いた5人の思想家、シュミット、ベンヤミン、アーレント、ファノン、アスマンの書物から、根源的な暴力論を切り開く。
謝 辞
前書き
序 論
第1章 カール・シュミットのアポリア【訳:大久保歩】
カール・シュミットの曖昧な遺産
政治的なもの──友/敵の区別
政治的敵意
運命としての政治
シュミットのアポリア
無からの決定?
暴 力
慣習的な敵意、現実の敵意、絶対的な敵意
シュミットの非道徳的道徳主義
第2章 ヴァルター・ベンヤミン──神的暴力?【訳:渡辺和典】
政治的文脈
法措定的暴力と法維持的暴力
革命的ストライキ
顕 現
神的暴力についてのマルクーゼの解釈
神的暴力をめぐって──バトラーとクリッチリーの場合
神的暴力をめぐって──ジジェクの場合
ベンヤミンの論文を脱構築するデリダ
デリダに対するローズの応答
神的暴力の決断不可能性
神的暴力をめぐる緊張感
ベンヤミンの論文の魅惑力
第3章 ハンナ・アーレント──権力と暴力【訳:大森一三】
歴史的背景
権力と暴力の対立
アーレントは何をおこなっているのか?
革命の精神
制作と暴力
テロルと暴力
暴力の正当化
アーレントの大げさな思考
アーレントの妥当性
権力、暴力、そして「現実世界」
第4章 フランツ・ファノンの暴力批判【訳:川口茂雄】
歴史的文脈
自然発生的暴力──その強さと弱さ
ナショナル・ブルジョワジーの失敗
ナショナルな文化
植民地的暴力がおよぼす社会心理学的な影響
暴力について
暴力批判
ファノンがのこした両義的な遺産
第5章 ヤン・アスマン──モーセ的区別と宗教的暴力【訳:梅田孝太】
モーセ的区別
モーセ的区別の脱構築
抗議の嵐とアスマンの応答
モーセ的区別と宗教的暴力
潜伏と抑圧されたものの回帰
宗教的暴力──暴力の第五の形式
一神教の影の側面
第6章 暴力と非暴力についての考察【訳:齋藤元紀】
原 注
訳 注
監訳者あとがき
文献一覧
事項索引
人名索引
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