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出版社:勉誠出版
出版日:2022年09月30日頃
ISBN10:4585320210
ISBN13:9784585320210
販売価格:7,700円
近代日本の中国体験の研究はこれまで、戦争(上海事変・日中戦争)や事件、特定の都市(上海・大連)などを切り口として行われてきた。しかし中国の主要都市には、日本人が継続的に在住し、また仕事や観光で訪れている。それらの人々が執筆した、書籍や雑誌掲載記事は数多く存在する。
19世紀後半から20世紀前半にかけて、日本人は中国の都市やエリアでどのような異文化体験を積み重ね、自己や他者と向き合ってきたのか。
日中共同研究により、日本語表象に映し出された中国の都市を多角的に検討し、近代日本の中国体験の全体像を浮き彫りにする。
はじめに 和田博文
1 日本近代の中国イメージの形成
日本人の中国都市体験 1894-1945 和田博文
座談会 中国の都市の記憶 和田博文・李征・王志松・高潔
2 日本語のレンズが捉えた中国北部
日本語表象と「北支」の地政学 王志松
旅順ー帝国の〈聖地〉 木田隆文
大連ー内側から捉えられた植民地都市の諸相 単援朝
長春(新京)-満鉄調査部事件と石堂清倫 竹内栄美子
ハルビンー「遠東のモスクワ」 祝然
天津ー谷崎潤一郎、芥川龍之介の「支那趣味」と天津旅行 李煒
北京ー歴史の証言者としての街 島村輝
青島ー翻訳都市、須賀敦子の青島 山崎眞紀子
3 日本語のレンズが捉えた中国中部
日本語表象と「中支」の地政学 横路啓子
上海ー俳句に謳われた異文化 和田桂子
蘇州ー「楓橋夜泊」を底流とした詩・水・夜の都市表象 楊柳岸
杭州ーミステリーとロマンスと 五味渕典嗣
南京ー近代旅行記に見えた南京城 梅定娥
武漢ー内田佐和吉がいた漢口租界 藥師寺美穂
重慶ー重慶旅行記における都市風景と歴史記憶 楊偉
4 日本語のレンズが捉えた中国南部
日本語表象と「南支」の地政学 高潔
厦門ーはてしない路地の町 河野龍也
香港ー東洋と西洋の交差する場所 大原祐治
広州ー真杉静枝の広州訪問とその叙述の表裏 鄒双双
主要参考文献
日本人の中国都市体験 関連年表(一八九四〜一九四五)(和田博文編)
あとがき
執筆者紹介
人名索引
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