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出版社:勉誠出版
出版日:2019年08月16日頃
ISBN10:4585227024
ISBN13:9784585227021
販売価格:3,080円
終戦から中華人民共和国成立にいたる上海の〈戦後〉を、その時代を体験した人びとの〈模索〉、〈越境〉、〈記憶〉という切り口から描き、戦後上海の多様性に注目した新たな歴史像を提示する。
〈模索〉対日協力者の足跡・資本家の苦悩と選択・民衆の苦難など、中国の人びとが激動期をいかに生き抜いてきたか。
〈越境〉亡命ユダヤ人・租界のフランス文化人・上海に残留した「留用」日本人など、「国際都市」上海における外国人の軌跡を描く。
〈記憶〉戦前・敗戦期の上海体験をテーマとした堀田善衞・武田泰淳・村上春樹らの作品を素材に、戦後における日本人の上海記憶のあり方を考える。
はじめにー戦後上海への招待 高綱博文
第1部 人びとの〈模索〉
対日協力者の戦後ー日本亡命者盛毓度と留園 関智英
過去を背負って生きるー二人の「文化漢奸」 山口早苗
民族資本家の一九四九年ー劉鴻生一族の選択 上井真
戦後の上海インフレーション 菊地敏夫
物価の高騰と内戦ー民衆の苦難と不安の日々 石島紀之
一九四六〜一九四九年の上海話劇 邵迎建
上海のキリスト教ー戦後・建国後・現在 石川照子
コラム 夢見る上海、さらにカラフルに ヒキタミワ
インタビュー 上海総領事を勤めて 片山和之
第2部 〈越境〉の軌跡
戦後上海の欧米人社会ー一九四六年の英字紙紙面から 藤田拓之
上海ユダヤ人の戦後ー「待合室」上海から、「目的地」アメリカへ 関根真保
上海から京都へー「高博愛」(Charles Grosbois)の戦後 趙怡
戦後上海に残留する日本人(一九四六〜一九四九) 陳祖恩
共産党政権下、上海で「留用」された人びと 堀井弘一郎
戦後上海の朝鮮人 武井義和
コラム 海と言語を跨いだ朱實老師ー建国前日の天津上陸 井上邦久
インタビュー 中国に最先端のオフィスビルを造る 吉村明郎
第3部 〈記憶〉の再編
堀田善衞と敗戦期上海日本文化人の「中国」表現ー日記・雑誌・作品 陳童君
堀田善衞をめぐる敗戦前後の上海人脈 丁世理
上海ノスタルジーのゆらぎー武田泰淳『上海の蛍』における回想の方法 藤原崇雅
二つの祖国ー生島治郎の上海ものをめぐって 戸塚麻子
村上春樹が描く上海ー『トニー滝谷』における父子の傷 山崎眞紀子
桑島恕一軍医大尉の「正体」-一九四六年米軍上海軍事法廷の一案件 馬軍
小泉譲の〈上海追懐もの〉六作品を読むー見果てぬ夢の街、上海 竹松良明
終戦後上海の国民党系雑誌に見る日本 渡邊ルリ
コラム 「凍結」された街並みと摩天楼 岸満帆
インタビュー 上海漫画『星間ブリッジ』を描いて きゅっきゅぽん
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