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出版社:勉誠出版
出版日:2017年05月31日頃
ISBN10:4585226737
ISBN13:9784585226734
販売価格:3,080円
『蜻蛉日記』『枕草子』『源氏物語』…。
平安の頃から連綿と続く「女性の文学」。その物語や日記には高い思想性が見られ、その裏打ちとして仏教(信仰)が通底している。
近年のジェンダー研究の隆盛を受けて関心の高まる女性と文学、そして仏教との関わりを、東アジア全体に視野を広げながら論じる。
序 文ー「東アジアの女性と仏教と文学」に寄せて 張龍妹・小峯和明
1 女性と仏教の文学世界
女文字の仏教 今西祐一郎
女性が男性を論破する大乗経典ー日本の女性文学への影響 石井公成
『参天台五臺山記』にみる「女性と仏教」 勝浦令子
〈仏伝文学〉と女人ー物語の原点として 小峯和明
コラム◎女性たちの転生と「謫生」-説話と物語のありよう 丁莉
コラム◎后と聖人ー女犯の顛末 高陽
2 女人の道心と修行
女性仏道修行者の出家と焼身ー東アジア仏教最初期の一考察 何衛紅
紫式部の道心について 張龍妹
手紙を書く女たちー儒教と仏教を媒介に 李愛淑
コラム◎釈教歌と女性 平野多恵
コラム◎暗喩としての〈仏教〉-『更級日記』の〈物詣〉 中村文
『とはずがたり』における後深草院二条の信仰心ー西行の受容を中心に 邱春泉
3 『法華経』と女人の形象
『冥報記』における女性『法華経』信仰説話の伝承考 李銘敬
鎮源撰『本朝法華験記』独自の女性像ー表現の出典と発想の和化を手掛かりに 馬駿
「平家納経」と女性の仏教実践 阿部龍一
『八幡愚童訓』の一側面ー神功皇后像と故事としての仏伝 鈴木彰
4 東アジアへの視界
宋代の女性詩人と仏教ー朱淑真を例として 陳燕
朝鮮の宮廷女流文学における宗教思想 金鍾徳
コラム◎朝鮮時代における仏伝とハングル小説ー耶輸陀羅の物語 趙恩馤
コラム◎朝鮮時代の女性と仏教ー比丘尼礼順の仏法修行を中心に 金英順
コラム◎ベトナムの女性と仏教 川口健一
5 近世・近代文学の女性と宗教
上田秋成の仏教観と「宮木が塚」における権力・智略と信仰 岳遠坤
コラム◎近世における女の巡礼 周以量
二十世紀の和泉式部伝説ー『かさぶた式部考』における「救済」について 樋口大祐
初期平塚らいてうの女性解放の思想と禅 王雪
芥川龍之介『南京の基督』論ー金花の〈奇蹟〉物語の深層心理 曲莉
核時代における現代人の信仰の問題についてー大江健三郎の『燃えあがる緑の木』を中心に 王麗華
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