高齢社会における民法・信託法の展開

高齢社会にかかわる民法、信託法の論点を軸に、現代日本が直面する問題に多角的に考察を加える重厚な論考群。 ［第I部］　拡大する信託法理 新発想のリバースモーゲージと税制支援のあり方（岩崎政明） 譲渡担保と信託的構成ーーMortgage and Trust Structure (Doctrine)（小賀野晶一） 破産管財人の受託者的地位と担保価値維持義務をめぐる考察（岡伸浩） 金融商品取引法の構造と信託（神田秀樹） ［第II部］　民法とその展開 将来債権譲渡における債権移転の時期【再論】（勝田信篤） 保証の「補充性」概念の序論的考察ーー普通保証と連帯保証・連帯債務との比較を通じて（遠藤研一郎） 債権者の責めに帰すべき事由による催告解除の制限──受領遅滞にある債権者の履行請求権の帰趨（北居功） 法解釈・契約解釈における信義則ーー最判平成23年4月22日民集65巻3号1405頁の批判的検討（原田剛） 不当利得における非統一説の展開（陳自強） 損害賠償種類論における時期的区分説の骨子（高田淳） 遺言信託と遺留分（黄詩淳） 売却代金の返還義務ーー他人物の無権限処分者の価値賠償義務（藤原正則） ［第III部］　信託法とその展開 「預金口座」の法的性質と救済としての信託法理（澁谷彰久） 信託が潜在力を発揮するには（溜箭将之） 「商事信託」と「民事信託」の区別について（大垣尚司） 信託受託者が行う自己取引における一般的忠実義務の適用（中田直茂・矢野貴之） 信託法の立法趣旨と条文規定との整合性（岸本雄次郎） 「福祉型の信託」を基礎づける（橋谷聡一） ［第IV部］　高齢社会と法 現行法定後見における3類型の限界と解消策（赤沼康弘） 高齢社会における民事訴訟の諸相（加藤新太郎） オーナー経営者の高齢化に伴う事業承継と信託（井上聡） 高齢社会における高経年団地の建替えーー建築後50年超の大規模団地の法律問題を中心に（鎌野邦樹） 成年後見制度における法定代理と本人への帰責ーー障害者権利条約時代下の基礎的考察（清水恵介） 祭祀財産・遺骨等の承継（棚村政行） 成年後見制度の中長期的課題に関する覚書ーー成年後見法再改正に向けて（上山泰） ［第V部］　グローバル社会と法 イギリスのEU離脱と北アイルランド国境問題の解決ーーEU法からの一考察（庄司克宏） 委任と信託の交錯ーー台湾法の視点から（杜怡靜） 台湾の任意後見制度と今後の課題ーー日本の任意後見制度との比較（戴瑀如・張亦忱） 担保としての信託における受益者の優先返済権と被担保債権の関係ーー韓国大法院2017年6月22日宣告2014ダ225809全員合議体判決を中心に（安成鉋） 韓国における成年後見の利用現況と公共後見の展開（朴仁煥）