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出版社:ダイヤモンド社
出版日:2022年03月03日頃
ISBN10:4478115206
ISBN13:9784478115206
販売価格:2,200円
過去100年の経営環境の変化を振り返れば、企業成長は技術の進歩とグローバル化、それらに伴う需要・消費の拡大がもたらしたものであり、企業成長が世界経済を牽引していることは紛れもない事実である。人々は企業の発展が人類にとって「善」(利潤の還元や生活水準の向上など)と「悪」(公害や労働問題など)の両面を併せ持つことを承知したうえで企業成長を歓迎した。それが世界的経済成長を導き、自分たちの生活を豊かにしてくれたからである。
ところが、21世紀に入ってからは、格差拡大、地球環境問題、洪水などの大規模災害、そして世界を震撼させた新型コロナウイルス感染症(COVID-19)という世界共通の危機が顕在化したことで企業経営が揺さぶられ、「信頼される企業」の姿が大きく変わりつつある。
たとえば、労働環境の劣悪さを理由に従業員が一斉に退職した米ファストフード・チェーン、従業員2万人の新型コロナウイルス感染の公表に躊躇したため安全性軽視と非難された米IT企業など、「企業に対する信頼」が一夜にして崩れる例は後を絶たない。だからこそ人々は、事業の運営と継続を追求する企業を信頼する。企業戦略、事業戦略、組織運営、社会課題の解決などの課題がこれまで以上に包摂的かつ複雑に絡み合ういま、企業経営は「信頼に足る行動を伴うかどうか」で判断されるのだ。
「信頼できる企業」と認めてもらうには、「あまねくステークホルダーの期待に応えるための事業運営ひいては企業経営を行う」というきわめてシンプルな原則を組織に浸透させるしかない。
そこで本書は、戦略、事業モデル、顧客接点、サプライチェーン、ファイナンス、IT・デジタル、組織・人材などの機能別に、「信頼される企業経営」を導くための方法を60点に及ぶチャート共に解説する。
はじめに──選ばれる企業になるための条件
序章 【現状分析】 経営課題としての「信頼」
第1章 【戦略】「社会の公器」から「世界の公器」へ
第2章 【事業モデル】その事業は誰と何の信頼を構築しているのか?
第3章 【顧客接点】よいプロダクトは「顧客体験」を伴う
第4章 【サプライチェーン】3つのEを考慮した新たなQCDの体現
第5章 【ファイナンス】求められるビジネスパートナーとしての役割
第6章 【IT・デジタル】デジタルと協奏して企業を強くする
第7章 【組織・人材】人を中心にした企業のつくり方
第8章 【総括】信頼される企業となるために
おわりに
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