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出版社:創元社
出版日:2016年08月23日頃
ISBN10:442220291X
ISBN13:9784422202914
販売価格:3,740円
近代以前、すでに大洋航海の技術やルートは確立されつつあったが、海の世界は依然として畏怖の対象であり、海の恩恵を得るためには「海のリテラシー」ともいうべき知識や経験の蓄積が不可欠であった。本書では、船長・漁民・商人・地域住民など「海民」の日常活動の分析を通して、海に関する情報の取得方法や伝達の実態を読み解き、彼らが「海のリテラシー」を獲得していく過程や海民の独自性、陸の歴史との関係性を明らかにする。
第1部 海を読/語る
第1章 難破譚の中の船乗りーー近世ヨーロッパ船とサバイバルの条件
第2章 船乗りと航海譚(ヤーン)--英領アメリカ植民地における貿易と情報伝達
第3章 海のフォークロアーーマルコーの『アルジェリア・スパイ』を中心に
第4章 海運業界紙の市況展望ーー19世紀前半におけるオーストリア領トリエステからみた両アメリカの可能性
第2部 海で/と生きる
第5章 貿易商人マテュラン・トロティエーーナポレオン時代における合法奴隷貿易の利潤と情報
第6章 黒人船長ポール・カフィーアボリショニズムと環大西洋商業ネットワーク
第7章 奴隷商人セオフィラス・コノウーー19世紀前半の環大西洋非合法ネットワーク
第8章 靴職人ジョセフ・ライーー19世紀初頭マサチューセッツ州リンにおける副業としての漁業
第3部 海が/を創り出す
第9章 石干見のアーケオロジー
第10章 近世フランスの北大西洋世界ーー港湾ネットワークからみた多重経済構造
第11章 18世紀フランスの《小さな港》--ミクロ資本主義の海域社会史
第12章 アメリカのもう一つのフロンティアーー捕鯨業の盛衰と海民像
第13章 デンマークの西インド諸島ーー黒人奴隷制度史とカリブ海
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