心理学でわかる発達障害「グレーゾーン」の子の保育

「発達障害」とは言い切れない「グレーゾーン」の子の存在が、保育現場などで問題となっている。発達障害かそうでないかは成長とともにはっきりしてくるが、園児や小学校低学年くらいではまだ判断が難しい。それだけに、心配しすぎも楽観しすぎも望ましい態度とは言えないだろう。本書ではグレーゾーンの子の困った言動について、理解と対処法を豊富かつ具体的に述べていく。現場で苦慮する保育者や教育者はもちろん、彼らを支援する心理職や、育児で困惑する保護者にも役立つ実践の書。 はじめにーー大人には大人の，子どもには子どもの思いがあります 第1章　「子どもの発達や成長が気になる」とは何が問題なのか？ 第2章　発達障害とは何か？ 　　　　--脳科学，発達心理学，進化論から見えてくるホントのところ 第3章　「発達障害」とはっきり診断できない「グレーゾーンの子ども」 　　　　--どう関わればどう育つのか？ 第4章　気になるこの子はどうなるのか？ 　　　　--意外と悪くない！　気になる子どもたちの将来 第5章　「グレーゾーンの子ども」をストレスフリーな付き合い方，育て方に誘導しよう 第6章　他害行為，物損行為，暴言……興奮した子どもを誘導する方法 第7章　特徴別「グレーゾーンの子ども」に関わるヒント1 　　　　--落ち着きがない，集中できない，お口の多動への対処法 第8章　特徴別「グレーゾーンの子ども」に関わるヒント2 　　　　--「いつまでも幼いままで……」を育て上げるコツ 第9章　特徴別「グレーゾーンの子ども」に関わるヒント3 　　　　--「性格」が気になる子との付き合い方 文　　献 おわりにーー発達障害の子どもと人類のダイバシティ COLUMN 1-1：人が人を評価する五つの次元 1-2：発達障害トラブルの本質は予定調和の裏切り者扱い 1-3：「自閉性障害」「アスペルガー障害」「広汎性発達障害」と「自閉症（自閉性）スペクトラム障害」 2-1：2歳児さんの「イヤイヤ期」「ブラブラ期」とその頭の中 2-2：言うことを聞かないAちゃんと保育者の間に起こったこと 3-1：こんな行動が発達障害を疑われやすい 4-1：発達障害と考えられる偉人たち 4-2：ADHDの個性を活かしやすい職業 5-1：発達の敏感期と臨界期 5-2：悪態で大人に嫌われてしまうJくん 5-3：ずっと同じ褒め言葉でいいの？ 6-1：日頃の言葉かけでウマの脳を落ち着かせる魔法使いになろう 6-2：発達障害に対する偏見やスティグマという親御さんの社会的リスク