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出版社:人文書院
出版日:2019年05月29日頃
ISBN10:4409041118
ISBN13:9784409041116
販売価格:4,180円
弾丸や飢えは僕を変えるであろう。
勇気の要るのもその時であろう。
(「1941年12月8日」より)
加藤周一が18から22歳にかけて書き綴った8冊のノート。そこには青年時代の加藤の思索があり、その後の思想と行動の原点を見出すことができる。ノートに残された、短編小説、詩歌、評論、随想、日記、らくがき……。戦争がはじまった厳しい時代に翻弄されながら、青年加藤は何を考えたのか?詳細な注付きで復刻し抄録。解説・鷲巣力。年表を付す。
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加藤周一ーーーーしなやかで強靭なその個性が、戦争と抑圧の時代をどう生き、自らをどう創っていったのか。
のちにその作品群によって知性と感性のゆたかなポリフォニーを響かせることとなる秘密が、ここにある。
樋口陽一(憲法学者)推薦
ノート1
〔若い菊池寛は芥川龍之介に似ている〕/〔寒い風景〕/「生きている兵隊」覚書
ノート2
私のみた惇二君/ 分譲地/インテリ/追分にて 或る日/軽井沢にて
ノート3
旅の日記/故郷と伝統と/断片/“似ている!”/マルキシズム/化粧する自由主義者
ノート4
戦争と文学に就いて/続・戦争と文学に就いて/フェミニスト/危検思想/抒情精神/小林秀雄/国家と文化(下田講師の問題に対する草稿)/出征する人々
ノート5
藤澤正自選詩集 一九三八/“人生は一行のボードレールにも若かない”/O氏に関するノート/人物記/山日記/音楽に就いて/戦争に関する断想/その後に来るもの/中原中也論/健康行進曲
ノート6
AUTOBIOGRAPHIE/覚書/ナルシスの手帖/二葉亭四迷/青山脳病院/日記ーーー14・11・21(火)/日記ーーー14・11・24(金)/日記ーーー14・11・28(火)/日記ーーー14・12・1(金)/日記ーーー14・12・5(火)/日記ーーー14・12・18(月)/日記ーーー14・12・22(金)/小林秀雄論序/私が生物学教室で学んだことは……/立原道造論序/立原道造論覚書
ノート7
音楽会の断想/覺書/純粋の一句を繞りて/ジョルオジュ・ガボリイの詩集「女たちだけのための詩」から。
ノート8
一九四一年/「学生と時局」と云う目下流行の問題に関連して/FRAGMENTS /鷗外・ブロック・ポールヴァレリー/或る音楽会/一九一四年夏/一九四一年十二月八日/UN FIRM RETROUVE /絶望的なヨーロッパの話、ヒューマニズムの運命に就いて/岩下師の言葉/二月十八日の日記//教育/青春/春/断片/ルネ・ラルウが仏蘭西心理小説の系譜
解説
あとがき
関連年賦
ノートの全容
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