ブレヒト

ブレヒトは，「われわれはシェイクスピアを変えられる。もしわれわれがシェイクスピアを変えられるなら」と言った。この挑発的な文章は，「もし」以下にたいへんな含みがある。シェイクスピアを変えられると言い切れる人は，変えられるだけの確固とした立場をもっていなければならないのだ。ブレヒトから学ぶべき態度はブレヒトを変えられると言い切れるようになることなのである。しかし私たちにはブレヒトを超えるまで知ることがすでに途方もない課題のように思われる。 目次（内容と構成） はじめにーーブレヒトとわたし 1　ブレヒトの旅立ち 　　　ドイツとブレヒト 　　　既成演劇への挑戦 　　　ファシズム前夜 2　戦火のヨーロッパ 　　　デンマークの藁屋根の下で 　　　靴底のように国を変えながら 3　イージーーゴーイングの国で 　　　アメリカのドイツ人 4　実践の途上で 　　　帰郷と再建 　　　あとがき 　　　　年譜 　　　　参考文献 　　　　さくいん