エラスムス

単なる地名以上の，たとえば文化の世界としてのヨーロッパ，あるいはそのヨーロッパが生み出したところのヒューマニズムーーそういうことを考えると，たちまちエラスムスという人物がクローズーアップされる。なぜなら彼はよく「ヒューマニストの王者」とか「ヒューマニズムの元祖」と呼ばれるヨーロッパ人だったからである。彼はヨーロッパの国々を超えて活動した。どうしてそれが可能であったのか？そのありようが理解されることも，この書の狙いの一つである。 目次（内容と構成） まえがき 1　青年時代ーー古典の好きな修道士 　　　一、ヨーロッパという世界 　　　二、エラスムスの誕生 　　　三、ラテン語教師 　　　四、新しい神学への道 2　壮年時代ーー代表的クリスチャンーヒューマニスト 　　　五、著述家エラスムス 　　　六、『痴愚神礼賛』 　　　七、「ユリウスのラッパ」 　　　八、ヨーロッパーキリスト教国の大学者 　　　九、宗教改革・ルターとエラスムス 3　晩年ーー孤立する静観者 　　　一〇、バーゼルにおけるエラスムス 　　　一一、終焉 　　　一二、エラスムスの人間像 　　　　年譜 　　　　参考文献 　　　　さくいん