刑法

●法律学習のスタート地点に立つ読者に贈る、伊藤真の「刑法」入門書。 法律がむずかしいと感じてしまう大きな原因は3つあります。1つ目は勉強する量が多くて途中で挫折してしまうこと、2つ目は何が重要なのかがわからず全体が見えなくなること、3つ目は抽象的な議論が多いうえに使われる言葉もむずかしいこと。この3つの原因を解決してしまえば、法律は実に楽しく勉強できるのです。 本書では、本当に重要なことだけに絞り込んで学習量を圧縮し、法律の全体像＝幹にあたる部分を学べるよう適切なメリハリを付け、具体的なケースをもとにわかりやすい言葉で解説しています。 圧縮された学習量、適切なメリハリ、具体例によるわかりやすい解説で、誰もが楽しめる法律の世界へ、伊藤真と一緒にLet's Go！ ｜Case｜A子さんは、同期入社したB子さんばかり出世するので、B子さんに対して強い嫉妬心を抱くようになりました。ある日、A子さんは、B子さんに嫌がらせをするために、B子さんの机の周りを見渡したところ、B子さんが最新のスマートフォンを置き忘れて外出したことに気づきました。そこで、A子さんは、そのスマートフォンを隠してB子さんを困らせようと考え、それを自分のハンドバックの中にしまいました。この場合、A子さんに窃盗罪は成立するでしょうか。 ｜Answer｜ 本書第17章2にあります 第1章 ようこそ刑法の世界へーーグーテンターク刑法 第2章 実行行為ーーやっても犯罪、やらなくても犯罪、やらせても犯罪 第3章 因果関係ーー人生も犯罪も結果がすべてじゃない 第4章 故意、過失ーー人生には恋が、犯罪成立には故意が必要 第5章 違法性、正当行為ーーボクサーはみんな傷害犯？ 第6章 正当防衛、緊急避難ーー犯罪者を返り討ちにしちゃダメなの？ 第7章 責任ー泥酔してても罪は罪 第8章 未遂、中止犯ーー今、犯罪をやめれば、まだ間に合う 第9章 共犯総説ーー赤信号、みんなで渡れば、みな有罪 第10章 共同正犯ーーだれも彼もがみな主犯格 第11章 狭義の共犯ーー外で見張りをしただけで有罪に 第12章 共犯の諸問題ーー犯罪と決別するのは容易じゃない 第13章 罪数・刑罰ーー懲役刑でも、刑務所に入らなくていいってホント？ ここからは、刑法各論！ 第14章 生命・身体に対する罪〔1〕--人生いろいろ、殺人罪もいろいろ 第15章 生命・身体に対する罪〔2〕--大声はまさに暴力になる！？ 第16章 自由に対する罪、名誉・信用・業務に対する罪ーー軽率なゴシップ記事にはご注意を 第17章 財産に対する罪〔1〕窃盗ーー盗まれたものを取り返したら窃盗罪！？ 第18章 財産に対する罪〔2〕強盗罪ーー欲張りな泥棒の末路は…… 第19章 財産に対する罪〔3〕詐欺・恐喝ーー詐欺罪って、1種類じゃないんだ！？ 第20章 財産に対する罪〔4〕横領・背任ーー借りた本、無断で売ったら横領罪！ 第21章 財産に対する罪〔5〕その他の財産犯ーー盗品と知りつつ買ったら罪になる 第22章 社会的法益に対する罪ーー火の用心、マッチ1本で重罪に！ 第23章 国家的法益に対する罪ーー警官を殴ったら、暴行罪じゃすまない！ 事項索引