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出版社:共立出版
出版日:2000年05月22日頃
ISBN10:4320055403
ISBN13:9784320055407
販売価格:3,960円
古い時代の生体エネルギー変換の研究では、能動輸送するプロトンと高エネルギー分子ATPが主役であった。
しかし近年、生体エネルギー変換の中核をなす光合成アンテナ系・反応中心、チトクロムbc1複合体、チトクロムc酸化酵素などの巨大膜タンパク質の構造が明らかにされ、さらに各種最先端分光技術・遺伝子操作技術を駆使した実験的研究および理論的研究によって正確な電子の流れの様子がかなり精密にわかってきた。
その結果、生体エネルギー変換を支えているのはプロトンではなく、電子の運動であることが広く認識されるようになった。
電子やプロトンの運動をもとに生体エネルギー変換の仕組みにせまる本巻の内容は生物物理学的研究の一つの典型として捉えることができるであろう。
序章 電子と生命ー新しいバイオエナジェティックスの展開
第1章 光エネルギーをとらえ反応の場所に運ぶ
1-1 多様なアンテナ系
1-2 紅色光合成細菌のアンテナ系における励起エネルギー移動の機構
第2章 電子の方向性のある移動
2-1 光合成反応中心ー電子の源流
2-2 植物における水の電気分解
2-3 植物における高還元物質の生成
第3章 プロトンの方向性のある移動
3-1 キノンを介した電子とプロトン移動のカップリングー呼吸と光合成に働くシトクロムbc複合体
3-2 シトクロム酸化酵素における電子とプロトン移動の共役
第4章 バイオテクノロジーへの展開
4-1 光合成材料を用いたデバイス開発
4-2 遺伝子操作で環境耐性植物をつくる
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