|
出版社:共立出版
出版日:1999年01月01日頃
ISBN10:4320015770
ISBN13:9784320015777
販売価格:4,400円
非線形偏微分方程式は、数学のみならず科学および工学全般に広く登場するため、その研究も多岐にわたっているが、本書では、自己相似解とよばれる特 殊解を通じて、主として拡散型非線形偏微分方程式の解の挙動を調べる方法を紹介する。ナヴィエ・ストークス方程式をはじめ、各種の現象を記述する方程式を例にとり、最近の結果を含めて平易に解説した。この方法は「繰り込み群的方法」の一種とも解釈されるもので、非線形偏微分方程式の漸近解析において、近年強力な手法となっている。
また、本書に必要な予備知識は、大学初年級の微分積分学のみとした。偏微分方程式の解の挙動を調べていくうちに、自然と必要な解析的な力が身につけられるように配慮してあり、微分積分学の基礎が最先端の研究にどのようにつながっていくかがよくわかる。現代解析学の入門書としても最適である。
第I部 偏微分方程式の解の漸近挙動
熱方程式の解の時間無限大での挙動
1.1 時間無限大での解の漸近挙動
1.2 方程式の構造と自己相似解
1.3 コンパクト性
1.4 極限関数の特徴づけ
渦度方程式の時間無限大での解の挙動
2.1 Navier-Stoker方程式と渦度方程式
2.2 時間無限大での漸近挙動
2.3 輸送項のある熱方程式の解の大域的Lq-L1評価
2.4 渦度方程式の解の評価
2.5 漸近公式の証明
2.6 Burgers渦の形成
2.7 Navier-Stockes方程式の自己相似解とその周辺
種々の方程式の自己相似解
3.1 他孔質媒質の方程式
3.2 後ろ向き自己相似解の役割
3.3 非拡散型方程式について
第II部 知っておくと便利な解析学的諸事実
熱方程式の解の種々の性質
4.1 合成積とYoungの不等式および解のLp-Lq評価
4.2 熱方程式の初期値
4.3 非斉次熱方程式
4.4 熱方程式の解の一意性
4.5 部分積分法
コンパクト性定理
5.1 定義域がコンパクトな場合
5.2 定義域がコンパクトでない場合
微分積分学の不等式
6.1 Gagliardo-Nirenbergの不等式とNashの不等式
6.2 Rieszポテンシャルの有界性
6.3 Sobolevの不等式
6.4 特異積分作用素の有界性
積分論の収束定理
7.1 積分と極限の順序交換
7.2 積分と微分の順序交換
7.3 有界線形作用素としての拡張
|