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出版社:ニュートンプレス
出版日:2021年10月19日頃
ISBN10:4315524719
ISBN13:9784315524710
販売価格:1,799円
「行動インサイト」とは,人間の行動を観察することで心理的な傾向を分析,把握し,それを理論的に体系化していこうとする行動経済学の新たな技法です。ここ10年ほどで行政や企業を中心に爆発的な支持を得ており,国策から個人のダイエットに至るまでさまざまな分野で取り入れられています。
本書では,そんな行動インサイトの主な特徴を,行動インサイトが役立つことがわかる実例を用いて紹介していきます。具体的な例で言うと,税金の引き上げでタバコの売上げが落ちたこと。つまり強制的にやらせるのではなく,“それとなく”誘導することで,意識させないまま喫煙率が下がり,よい結果へ導くという考え方です。また,行動インサイトの歴史や今後の方向性もまとめ,近い将来,国の政策や企業の組織運営に必要となる行動インサイトの活用法にも迫っていきます。
第1章 行動インサイトとは
行動インサイトによる提案
行動インサイトというレンズ
行動インサイトは実践的で,実証的
行動インサイトのインパクト
第2章 行動インサイトの歴史と考え
行動経済学の進化
二重過程理論への道
行動について政府の考え方はどう変わったか
ナッジ
マインドスペース
行動インサイトチーム
行動インサイトのムーブメント
浮上した行動インサイトの「エコシステム」
第3章 行動インサイトの実用例
規則:デフォルトで環境にやさしく
インセンティブ:お金よりお金以外の見返りが好まれる場合
情報:だれが何をどう言ったかという影響
環境:作業場周辺の床スペースを見直して職場の安全性を高める
手順:ピークエンドの法則を利用して結腸内視鏡治療をもっと楽に
第4章 行動インサイトの応用
ステップ1:範囲を定める
ステップ2:課題を対応可能な要素に分ける
ステップ3:ターゲットとなる結果指標を特定する
ステップ4:関連する行動間の関係を明らかにする
ステップ5:それぞれの行動に影響を及ぼす要因を特定する
ステップ6:優先して対処するべき行動を選ぶ
ステップ7:優先する行動を生むためにエビデンスが導く介入を立案する
ステップ8:介入を実行する
ステップ9:効果を評価する
ステップ10:結果に基づいてさらなる措置をとる
第5章 行動インサイトへの評価,意見,そして限界について
行動インサイトはどの程度実用できるのか
理論やエビデンスは十分頑健か
行動インサイトのアプローチは倫理的で許容できるか
第6章 行動インサイトの未来
知見を整理統合する
優先順位をつける
標準化する
用語集
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