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出版社:音楽之友社
出版日:2017年06月24日頃
ISBN10:4276130565
ISBN13:9784276130562
販売価格:1,980円
豊かな表現と知的さに溢れ、自身の音楽的欲求を余すところなく実現できる数少ないヴァイオリニストで、2016年6月に惜しまれつつ亡くなった若林暢によるジュリアード音楽院博士論文。クラシック音楽史上「悪魔」を表現した音楽が多く存在するが、それらの楽曲分析を通して悪魔の姿がどのように描かれているのかを浮き彫りにしていく。作品の背景や手法・様式を分析することで、作曲家が悪魔を描いたであろうという見地を明らかにし、演奏家をはじめ多くの人にとってのより深い理解に役立てばという想いの詰まった1冊である。それぞれの曲のどのような場面でどのフレーズが悪魔のモチーフとして使われているか、豊富な譜例とともに独自の解釈を提示、また旋律だけでなく和声的な観点からの分析も多く、自論を裏付ける材料が満載である。
1 はじめに
2 1800年以前の音楽における悪魔について
1.概要
2.バッハ/カンタータ第19番より冒頭の合唱の部分
3 19世紀初頭の名曲
1.シューベルト/《魔王》
2.ウェーバー/《魔弾の射手》より「狼谷の場」冒頭
4 音楽の中のメフィストフェレス
1.メフィストフェレスの歴史
2.ゲーテ『ファウスト』に基づく名曲
a.リスト/《ファウスト交響曲》より「メフィストフェレス」楽章
b.ゲーテ『ファウスト』に基づく他の名曲について
5 「macabre」(恐怖)のライトモチーフとしての「ディエス・イレ」
6 悪魔の楽器としてのヴァイオリン
1.パガニーニ
2.悪魔の楽器としてのヴァイオリンをイメージした音楽作品
a.タルティーニ/《悪魔のトリル》
b.リスト/《メフィストフェレス》
c.サン=サーンス/《死の舞踏》
d.マーラー/交響曲第4番第2楽章
e.ストラヴィンスキー/《兵士の物語》
7 結論
8 参考文献
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