唯物論研究年誌（第20号）

安保法制はじめ、エスカレートする支配層の強権主義的な政治手法。その現状を浮き彫りにし、支配体制に抗する動きのなかから、人々の生活を〈守る〉ために、新たに立ちのぼる思想の可能性をつかむ。 【特集＝生活を〈守る〉思想】 政治的「物語」の思想としての保守主義（石井潔） グローバリズムへの自民党リベラル派の対応とその困難ー政治家・加藤紘一の言動に即して（山本公徳） 地方自治理念の今日的意義を探るー長野県阿智村での実践をふまえて（岡庭一雄） ひとり親たちの生活哲学ー地方都市B市の公営住宅における子育て世帯へのインタビュー調査から（松田洋介）　 民主主義の最前線で社会を取り戻すー「オール大阪」と草の根の大衆運動（布川淑） インタヴュー　都市大阪の再生は含羞の文化から（木津川計） 【思想のフロンティア】 ピケティ・企業過剰貯蓄・「イノベーション」（森原康仁） イギリス保守政権による福祉削減と福祉受給者のスティグマ化（鈴木宗徳）　 【レヴュー・エッセイ】 貧困の不可視化に抗うー鈴木大介『最貧困女子』に見る女性の貧困の最底辺（小尾晴美）　 オルタナティブの象徴としての「里山」、恭順の記号としての「資本主義」-『里山資本主義』を読む（南有哲）　 【研究論文】 一八世紀ドイツにおける二つの理性ー〈健全な理性〉と〈推論的理性〉の区別とその優劣をめぐって（小谷英生）