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太平洋島嶼地域における国際秩序の変容と再構築

著者:黒崎岳大  / 今泉慎也
出版社:アジア経済研究所
出版日:2016年03月31日頃
ISBN10:4258046256
ISBN13:9784258046256
販売価格:3,630円
太平洋島嶼地域ー太平洋に散在する多くの島々からなるこの地域は、長きにわたり歴史の表舞台から忘れられた存在であった。その地理的な特徴(拡散性・狭隘性・遠隔性)もあり、欧米諸国からは「周縁」とみなされ、国際社会のなかで政治的にも経済的にも孤立した状況にあったといえるだろう。日本においても島嶼地域に向けられたまなざしは例外ではなかった。同じ太平洋を共有する島国という特徴をもち、ミクロネシアの一部を委任統治領として施政下におくなど歴史的な関係を有した時期はあったが、「アジアの一部」と自認してきた日本にとって、太平洋の島々は遠く離れた世界であり、国民の多くも島嶼国に対して身近な隣国という意識を抱くことはほとんどなかった。 しかしながら、21世紀になり、日本にとって遠い存在であった太平洋島嶼地域に対する認識に大きな変化がみられるようになった。とりわけ2010年代に入ると、政治や経済を含めさまざまなレベルでの交流が盛んとなり、マスメディアを通じて国内外で報道されるようになってきている。その一つが太平洋島嶼地域最大の人口と面積を有するパプアニューギニアである。パプアニューギニアは、2013年11月に日本との間の投資協定が批准されたことをきっかけに、日本の大手商社が同国へのビジネス進出に関心を示し始めた。14年中盤には、パプアニューギニアで産出される液化天然ガスが、日本をはじめとする東アジア諸国へと輸出されるようになり、日本のビジネス界においても新たな資源大国として注目されるようになってきている。 このように太平洋島嶼地域に対して関心を高めているのは日本に限らない。旧宗主国である欧米諸国やアジアを中心とした周辺ドナー国からも同地域に積極的に関与していく姿勢が目立ってきた。とりわけ、中国やインドといった新たなドナー国は、国家主席や首相が公式訪問をするなど島嶼国へのアプローチを強めてきている。この動きに対して、旧宗主国でもあるアメリカやEU 諸国などの伝統的なドナー国も、新たなドナー国の動きを注視しつつ、太平洋島嶼地域との間で独自の外交戦略を実施している。周辺諸国の状況をみた時に、安倍総理のパプアニューギニア訪問は、まさに時宜を得たものであったと大いに評価することはできる。しかしながら、太平洋島嶼地域を取り巻く状況認識とそれをふまえた外交政策の実施という視点からみた場合、日本政府の取り組みは上述のドナー国と比較してまだまだ十分なものとはいえない。それ以上に問題なのはシンクタンクをはじめとして、日本における同地域の調査研究の分野であり、欧米や中国とくらべて歴然とした差をつけられているといわざるを得ない。それを克服するためには、同地域をめぐるさまざまな課題に対して各分野の専門家によって詳細な分析が行われ、成果を国内外に発表し、蓄積していくことが必要とされているのである。
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