破壊指令no．1

矢吹貴。業界紙「株式速報」発行人兼編集人。彼にはもうひとつの顔があった。内閣情報室嘱託の秘密調査官。今回の指令は、第二次大戦中、日本海軍がイギリス領のペナン、シンガポールから略奪し、旧燃料廠に隠蔽した時価二百億円を越す金塊類を隠し通すこと。すでに情報を嗅ぎつけたイギリス諜報部は、工作員を送り込んでいる。請求権の時効まであと一カ月。活動を開始した矢吹を、敵の巧妙な罠が待ち受ける。