麻酔の科学　第2版

試行錯誤の歴史から最新の麻酔医療まで 麻酔は身体の機能を他人にまかせること 全身麻酔下の手術では、意識を失った状態で、呼吸・心拍など、身体の根本機能を長時間、他人にまかせることになります。それなのに私たちは、麻酔のことも麻酔科医の仕事もほとんど知りません。知らないまま、平気で手術をまかせられますか？安全が確立されるまでの試行錯誤の歴史から、最新の麻酔薬、装置、施術法まで、手術を支える麻酔と麻酔科医のすべてを解説します。 麻酔医療と麻酔学の大きな変化を取り入れた改訂第2版。その変化とはーー ●吸入麻酔の役割が減り、静脈麻酔が中心に ●鎮痛薬としての麻薬の役割が増加 ●モニター機器とコンピュータの使用が標準化 ●手術中に意識が戻る問題が大きなテーマに ●麻酔薬の作用メカニズムの研究が活発に 序章　麻酔の実際の進み方の大筋 第1章　吸入麻酔から静脈麻酔へーー2つの麻酔法の話 第2章　お腹の手術でのどが痛い理由ーー気道確保 第3章　麻酔における麻薬の重要性ーー麻薬は麻酔に役立つ鎮痛薬 第4章　麻酔中の酸素不足ーー肺がつぶれて酸素が足りなくなる問題 第5章　身体の外から動脈の血の色を見るーーいろいろな監視装置 第6章　医療で死なないためにーー手術と麻酔の事故 第7章　硬膜外麻酔の役割ーー自律神経系との関係 第8章　南米先住民の巧妙な狩猟ーー筋肉をやわらかくする薬 第9章　手術中に意識が戻る恐怖ーー術中覚醒と記憶 第10章　手押しの人工呼吸が鉄の肺に勝ったーー呼吸管理と集中治療 第11章　もう1つの麻酔の応用ーーペインクリニック 第12章　作用のわからない薬の代表が“麻酔薬”--有効性からメカニズムへ