群狼の機動艦隊

ロンドン軍縮会議を終えた山本五十六は、この機会に新たな日本海軍を作ろうと考えていた。それは、戦艦に頼らない航空主兵、つまり空母とその艦載機を主力とする艦隊の創設だった。そして山本は軍縮条約により廃艦となる「扶桑」「山城」を単なる空母ではなく格納庫からダイレクトに艦載機を射出できる「射出空母」にすることを計画。さらに、新たなる艦載機として戦闘爆撃機「疾雷」の製造も命令した。そして昭和１５年。日本は射出空母「玄龍」「亢龍」を含む１４隻の空母を持つ世界でも類を見ない海軍となった。そして、アメリカとの戦争が不可避となった昭和１６年。山本はこの「群狼の機動艦隊」とともに、ハワイ占領に向けて出撃する。