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出版社:岩波書店
出版日:2019年12月21日頃
ISBN10:4000237411
ISBN13:9784000237413
販売価格:9,900円
漱石の作品は,数多くの言語に翻訳され,世界中で読者を獲得してきた.海外の日本文学研究において,漱石文学にはどのようなアプローチがなされているのか.その最新の成果を通して,漱石文学を問い直し,世界文学における夏目漱石の位置づけを考える.海外の研究者による論文一〇本と,多和田葉子氏の講演録を収録.
はじめにーー漱石の世界性……………安倍オースタッド玲子,アラン・タンズマン,キース・ヴィンセント
序章 漱石ってどんな石?--自分ではない者になる方法……………多和田葉子
第1部 始発としての『こころ』
戸坂潤,エドウィン・マクレラン,フリードリヒ・ハイエクとともに漱石を読む……………ブライアン・ハーリー
情動としての『こころ』--文学と身体の結節点……………中川成美
高校教科書における『こころ』…………… ケン・イトウ
第2部 焦点化されるジェンダー
欲望の二重視ーー藤村操,『草枕』,ホモソーシャル・ノスタルジア……………ロバート・タック
屋根裏の狂男(マッドマン)--『三四郎』における女性作家・人種差別と帝国・クィア文学……………高橋ハーブさゆみ
世界文学としての『明暗』…………… 安倍オースタッド玲子
漱石と子規にとっての紫式部ーー「時鳥たつた一声須磨明石」……………キース・ヴィンセント
第3部 帝国の経験を通して
満洲のビーチ・ボーイズーー漱石の『満韓ところどころ』をめぐって……………アンジェラ・ユー
「どうして,まあ殺されたんでしょう」--夏目漱石,帝国,そして(反)植民地的暴力の「公然たる秘密」……………アンドレ・ヘイグ
表紙で本を読むことーー漱石,装幀,そして芸術の価値……………ペドロ・バッソー
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