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出版社:岩波書店
出版日:2022年01月10日頃
ISBN10:4000114166
ISBN13:9784000114165
販売価格:3,520円
漢帝国の崩壊後、さまざまな民族が激しく衝突・接触・融合し、中華世界は新たな中華の型となる隋唐帝国を創り出した。これまでの東アジア世界を越え、ユーラシアサイズでこの再編の動きを捉え直すと、一体どのような姿が浮かび上がるのだろうか。ユーラシアの東部と西部が重なり合う境界地帯を視座に据え、新生中華の全貌を鮮明に描き出す。
展 望|Perspective
中華世界の再編とユーラシア東部┄┄┄┄┄荒川正晴
はじめに
一、何故、ユーラシア東部なのか
二、中華内部の動向
三、ユーラシア東部のなかの中華世界の再編
結 語
問題群|Inquiry
十六国北朝隋唐政権と中華世界┄┄┄┄┄佐川英治
はじめにーー中国史の分水嶺としての四世紀
一、ポスト漢帝国
二、「惹水」以後
三、皇帝可汗
四、王権の仏教受容
五、隋唐制度の形成
おわりにーー中国の統一から中華の統合へ
トルコ系遊牧民の台頭┄┄┄┄┄鈴木宏節
はじめに
一、遊牧民の「国家」をめぐって
二、トルコ系遊牧国家の基本構造
三、突厥のタルカンと部族支配
結 び
隋唐国制の特質┄┄┄┄┄辻 正博
はじめに
一、周隋革命と開皇の国制
二、唐王朝の成立事情と唐初の国制
三、開元官制の成立
四、隋唐の律と令
五、軍 制
おわりにーー隋唐国制の特質
焦 点|Focus
南朝の天下観と伝統文化┄┄┄┄┄戸川貴行
はじめに
一、東晋の中原恢復と雅楽整備
二、南朝の天下観と雅楽整備
三、北斉・北周・隋への影響
おわりに
東南アジア世界と中華世界┄┄┄┄┄桃木至朗
序 この章の課題と目的
一、「インド化された諸国の古代史」の刷新
二、「マンダラ国家」群の形成(四ー八世紀)
三、「憲章時代」の東南アジアと唐宋変革(九ー一四世紀)
チベット世界の形成と展開┄┄┄┄┄岩尾一史
はじめに
一、吐蕃の興隆とその国家体制
二、吐蕃の国家
三、宗教と吐蕃
四、チベット仏教文化圏の登場
おわりに
朝鮮史の形成と展開┄┄┄┄┄李成市
はじめに
一、朝鮮三国の国家形成の諸相
二、新羅国制転換の画期と新羅王権
三、百済・高句麗滅亡と支配集団の再編
四、領域拡大と「三韓一統」意識の形成
五、骨品体制国家の変容
おわりに
中華と日本ーー日本国の成立┄┄┄┄┄冨谷 至
一、「倭王」
二、『日本書紀』の「倭皇」
三、倭国から「日本」へ
四、「日本」の成立
小結ーー華夷秩序と日本の独立
交拝する夫婦ーー婚礼からみた中国ジェンダー史の一コマ┄┄┄┄┄下倉 渉
はじめに
一、親 迎
二、交 礼
三、拝 時
四、青 廬
おわりに
コラム|Column
中華世界における胡語の漢字音写┄┄┄┄┄吉田 豊
唐代の仏教と訳経事業┄┄┄┄┄中田美絵
遊牧民の文字の創作┄┄┄┄┄齊藤茂雄
中華におけるソグド人の生活・文化 --墓葬資料から探る┄┄┄┄┄影山悦子
中国語上古音の最近の推定から見た本邦最古の漢字音┄┄┄┄┄遠藤光暁
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